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北海道大学 量子集積エレクトロニクス研究センター
       
MOVPEナノ構造Gr.
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研究内容
■研究目的

有機金属気相成長を用いることにより、量子ナノ構造を高密度で周期的に配列させた構造(量子結晶)の形成技術を確立するとともに、そのような量子結晶中における電子・光の量子状態を理解し、制御することにより、新しい量子電子デバイス・光デバイス応用への道を開拓する。
■プロジェクト

「有機金属気相成長高密度量子ナノ構造による単電子集積エレクトロニクス」(平成13年〜平成17年)
文部科学省研究費特別推進研究「高密度半導体量子ドット構造の形成と評価の研究」(平成9年7月〜平成13年3月)
■主な研究テーマ

(1) 有機金属気相成長法による量子ナノ構造の周期的配列構造の形成
化合物半導体量子ナノ構造の優れた電子物性・光物性の特長を最大限に活かし、それを電子素子・光素子に応用するためには、単一の量子ナノ構造を形成する技術だけでなく、その位置及びサイズ制御し、かつそれらを高密度に周期的に配列させた構造が必要となる。本研究では、半導体素子製造の現場で多く用いられている有機金属気相成長法を主に用いて、量子ナノ構造およびそれが周期的に配列された量子結晶を形成する技術を確立することを目的とする。現在までに、量子ドットと量子細線とがネットワーク的に配列・結合した量子ドットネットワーク(図1)や、フォトニック結晶への応用を目的とした、ピラー構造の3角格子配列構造(図2)等の、数百nmオーダの周期構造の実現に成功している。
図1 MOVPE選択成長で形成した量子ドットネットワーク構造の電子顕微鏡(SEM)写真 図2 有機金属気相選択成長法により作製したピラー型3角格子フォトニック結晶のSEM写真
図1 MOVPE選択成長で形成した量子ドットネットワーク構造の電子顕微鏡(SEM)写真
図2 有機金属気相選択成長法により作製したピラー型3角格子フォトニック結晶のSEM写真
(2) 量子結晶における物理現象解明とその電子・光素子への応用
本手法を用いて形成された量子結晶中での、電子や光の量子状態を解明するとともに、それらを制御することによって、新しい電子デバイス・光デバイス応用への道を拓く。現在までに、高密度量子細線列を用いた、量子細線レーザ(図3)や、単電子トランジスタおよびその集積回路(図4)の実現に成功している。また、単一および結合量子ドット中の電子状態や単一電子輸送現象といった物理現象の探索や、フォトニック結晶の光学的特性の解明、さらには、電子の量子状態制御と、フォトニック結晶中の光状態制御との組み合わせによる、光・電子量子状態の制御を試みている。
図3(a)量子細線レーザーの断面模式図と(b)出力特性
図3
(a)量子細線レーザーの断面模式図と(b)出力特性
(a) 選択MOVPE成長により作製した単電子インバーター回路のSEM像と(b) 等価回路
(c)電子トランジスタのクーロン振動、(d)回路の入出力特性
図4
(a) 選択MOVPE成長により作製した単電子インバーター回路のSEM像と(b) 等価回路、(c)電子トランジスタのクーロン振動、(d)回路の入出力特性

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